『男の娘なキミが好き』
季節:初夏〜夏休み 場所:男子高校

〜人物関係図〜
□圭介→未央(幼馴染み)→長谷川部長
□貴史(圭介の親友で未央のライバル)→長谷川部長

〜人物紹介〜
■本間 圭介(ホンマ ケイスケ):本編の主人公
高校一年。幼馴染みの未央が好き。イケメンだが心底へたれ。呼称:オレ

■野沢 未央(ノザワ ミオ):圭介の幼馴染み(娘役)
高校一年。萌え声の男の娘。可愛い系の美少年。長谷川部長に心酔。呼称:ボク

■椎名 貴史(シイナ タカシ):圭介の親友(娘役)
高校一年。お姉さま声の男の娘。理系眼鏡。長谷川部長に心酔。呼称:俺

■長谷川(ハセガワ):演劇部の部長(現娘役トップ)
高校三年。演劇部の華。娯楽の少ない男子高校で全員娘役の演劇部を発足した。
美貌と頭脳は飛び抜けている。カリスマ性バツグンで、博愛精神にも富んでいる。呼称:僕


圭介(男声)01「未央、ジュース買ってきてやったぞ!」
未央(男声)01「わぁ、ケースケありがと〜。
          ごきゅ・・・・・・ごきゅ・・・・・・ごきゅ(ジュース飲む音は自力でお願いします)。
          ぷっはー、生き返ったぁ! もう一本!」
圭介(男声)02「ねぇよ、人のカネでどんだけ飲む気だ」

SE:セミの鳴き声 フェードアウト

圭介(N)01:オレは本間 圭介(ほんま けいすけ)。
        高一の夏休みだってのに遊ぶ予定が一つもないヒマ人だ。理由はカンタン。
        野沢 未央(のざわ みお)の呼び出しには絶対、駆けつけたいからだ。
        未央はオレと同い年の幼馴染みで・・・・・・それ以上の関係になりたい相手だったりする。

圭介(男声)03「にしても・・・・・・あっちぃなぁ、この部屋。
          演劇部の部室ってクーラーねぇのかよ」
未央(男声)02「あるけど、夏休み中は部活以外、使用禁止なんだよぉ」
圭介(男声)04「だったら、マックかオレんちかオレんちかオレんちで話そうぜ?
          誰も残ってねぇとこみると、今日の練習はもう終わったんだろ?」
未央(男声)03「そうだけど・・・・・・ここじゃ、ダメかなぁ?
          ケースケにちょっとマジな話あるんだ」

圭介(N)02:マジな話って、まさか恋関係? 遠回しに告白とか? ・・・・・・いや、違うか。

圭介(男声)05「マジな話なら、マジなカッコでしてくれ。
          なんだよ、その金髪かつらとスカートは・・・・・・?」
未央(男声)04「よく訊いてくれましたぁ!
          じゃーん! ボク、秋の校内公演で村娘のアンナに決定したんだぁ!」
圭介(男声)06「村娘って・・・・・・おまえ、高一男子だろ?」

圭介(N)03:未央は色白で、パッチリ二重にピンクの唇の持ち主だ。
        そこらの女子高生より断然、可愛いけど・・・・・・一年で役付きってのは高待遇だよな?

未央(男声)05「あれぇ、ケースケ知らないの?
          うちの演劇部って娘役しかいないからぁ、舞台に立つ部員が足りないんだよ」

★BGM フェードアウト
SE:足音
SE:ドアの開く音
★BGM:mafia.mp3

貴史(男声)01「これは親友の圭介君、やっと演劇部に入る気になったか?」

圭介(N)04:こいつは椎名 貴史(しいな たかし)。
        中学からの腐れ縁で、どういうわけか高校に入ってから演劇に目覚めた理系の眼鏡野郎だ。

圭介(男声)07「入るわけねぇだろ」
貴史(男声)02「あぁ、なるほど未央に呼び出されて暑いなかホイホイ出てきたのか?
          出不精のくせに、毎度よくやるな」
圭介(男声)08「・・・・・・なぜ、一目でそこまでわかった!?」
貴史(男声)03「圭介と俺は親友だから?」
圭介(男声)09「なぜに疑問形!?
          てか、おまえ、なんでここにいんだよ?」

三秒ぐらいの間

貴史(男声)04「――ところで、なぜ未央は衣装をつけたままなんだ?」
圭介(男声)10「親友を完全スルーですかぁ!?」
未央(男声)06「貴史には関係ないじゃん!」
貴史(男声)05「いーや、同じ演劇部一年として関係がある。
          まさか・・・・・・抜け駆けしようなんて考えてないだろうな、未央?」
未央(男声)07「ケースケに練習相手になってもらおうなんて、ボク、そんなことちっとも考えてないよ!」
圭介(男声)11「未央、考えがダダ漏れだぞ・・・・・・」
貴史(男声)06「ふぅん、圭介に演劇経験があったとはねぇ・・・・・・それ本当か?」
圭介(男声)12「まぁ、昔ほんのちょっとな」

圭介(N)05:オレは小学校に上がる前の三年間、子役の経験がある。
        お袋にむりやり受けさせられたテレビドラマのオーディションに合格したのがきっかけだ。

圭介(男声)13「オレが未央の練習相手になんのと、マジな話は関係あんのか?」
未央(男声)08「あるよ! 演技が巧くなれば、長谷川部長に目ぇかけてもらえるもん!」
圭介(男声)14「長谷川部長って・・・・・・演劇部の部長か?」
貴史(男声)07「コホン(咳払い)、長谷川部長は我が男子高において全員娘役の演劇部を発足した立役者だ。
          容姿端麗にして頭脳明晰、超高校生級の統率力と演技力の持ち主だ」
圭介(男声)15「へぇ」
貴史(男声)08「そういうことなら、俺も練習に参加させてもらうぞ。
          ちなみに秋の校内公演で俺は村娘のディアナを演(や)る、アンナは俺の妹設定だ」

圭介(N)06:未央が妹なんて・・・・・・なんて、おいしい設定だ! どちくしょうめ!

未央(男声)09「ずーるーいっ、ケースケはボクのコーチなんだよ!」
貴史(男声)09「いいよな、親友?」
未央(男声)10「ちょっとぉ、ボクなんてケースケと幼馴染みなんだからねっ!」

圭介(N)07:貴史は親友、未央は幼馴染みだが・・・・・・それがなんだってんだ!?

未央(男声)11「もぅっ、ケースケはボクと貴史のどっちが大事なわけ?」

圭介(N)08:未央の方が断然大事に決まってるが、貴史に知られたら後が大変だ。

圭介(男声)16「なら、オレも訊くけど・・・・・・。
          おまえら、オレと長谷川部長のどっちが大事なんだ?」

一秒ぐらいの間

未央(男声)12・貴史(男声)10「長谷川部長」(棒読み)
圭介(男声)17「せめて三秒ぐらい悩んでくれ!」
未央(男声)13「悩む必要ないよ、ねぇ?」
貴史(男声)11「その通りだ、未央もたまにはまともな発言をする。
          そもそも長谷川部長と圭介を比べること自体がおこがましい」
圭介(男声)18「貴史、おまえ・・・・・・本当にオレの親友か?」
貴史(男声)12「憧憬(どうけい)の念は、ときに人を変える!」
圭介(男声)19「変わり過ぎだろ・・・・・・」
貴史(男声)13「ふっ、圭介は長谷川部長という“太陽”によって生かされているオケラにも等しい存在!」
未央(男声)14「ねぇねぇ、オケラってなぁに?」
貴史(男声)14「オケラは虫ケラだ」
圭介(男声)20「無駄に韻(いん)を踏むな!」
貴史(男声)15「黙れ、虫!」
圭介(男声)21「虫!? オレ・・・・・・とうとう、ただの虫か!?」

圭介(N)09:ってか、虫に練習相手してもらいたいんかよ、おまえら・・・・・・。

未央(男声)15「ごめーん、ケースケ。
          怒った? ねぇ、怒っちゃったぁ?」(甘え声)
圭介(男声)22「・・・・・・はぁ・・・・・・別に怒ってねぇよ」(ため息混じり)
未央(男声)16「じゃあ、さっそく台本読んでみてくれるぅ?
          タイトルは『ドキッ★貴婦人だらけの三角関係』で、中世ヨーロッパの片田舎が舞台なんだ〜」
貴史(男声)16「先に言っておくが、ポロリはないぞ」
圭介(男声)23「野郎のポロリを、誰が期待するかぁ!」

SE:台本をめくる音

圭介(N)10:未央に押しつけられた台本を読んで、オレの脳裏にある作戦がひらめいた。

圭介(男声)24「よしっ、天才子役だったオレ様が二人まとめて面倒みてやるぜ!
          練習するのは四幕一場だ、オレは村長の娘マリアを演(や)るからな!」

圭介(N)11:四幕一場の内容はかなりおいしい。
        ディアナとアンナの姉妹、つまり貴史と未央が競ってマリアに告白する場面(シーン)だ。
        このシチュエーションを使わない手はないぜ!

貴史(男声)17「俺達の一番の見せ場だ、ナイスセレクト!」
未央(男声)17「わーい、ケースケありがとー」

★BGM フェードアウト
★BGM:light.mp3 ※五〜六秒溜めてから台詞お願いします。

未央(男女混声)18「じゃあ、ボクからだね・・・・・・えーと(以下、女声)。
             『とうとう・・・・・・マリア様の家まで来てしまったわ』」

★BGM ストップ
★BGM:nandesuto.mp3

圭介(男声)25「ぶはっ、なんて声出すんだよ、未央!」
未央(女声)19「なにって・・・・・・アンナは可愛い女の子なのっ!」
圭介(男声)26「おまえは可愛い男の子だろっ!」
貴史(男声)18「可愛い裏声ぐらい出せなくてなにが役者だ、虫!」
圭介(男声)27「虫言うな!」
貴史(男声)19「先に言っておくが、圭介も女声(おんなごえ)で演(や)るんだぞ。
          おまえは今から男の娘(むすめ)と書いておとこのこだ!」

圭介(N)12:こ・・・・・・こんな展開ありかよ・・・・・・。

圭介(男声)28「そうまで言うなら、貴史もおとこのこで演(や)るんだろうな?」
貴史(男女混声)20「当〜然、(以下、女声)私の演じるディアナは村一番の才女ですのよ」
圭介(男声)29「・・・・・・キモッ、キモ過ぎる」
未央(女声)20「ちょっとケースケ、ディアナ姉さんと遊んでないで早く続けてよ〜」
圭介(男女混声)30「わ・・・・・・わかった。(以下、女声)
             じゃない、わかりましたわ」

★BGM ストップ
★BGM:light.mp3
SE:台本をめくる音

圭介(男女混声)31「えー・・・・・・ここからだな(以下、女声)。
             『こんな夜更けに誰です、窓の外にいるのは・・・・・・』」
貴史(男声)21「にゃー」(棒読み)
圭介(男女混声)32「『あら、野良ちゃんですの・・・・・・』(以下、男声)
              ――って、野良猫なんか台本のどこにも書かれてねぇよ!」

★BGM ストップ

貴史(男声)22「いやなに、おまえの緊張をほぐしてやろうと思ってな。
          親友のちょっとした親切だ、ありがたく受け取れ」
圭介(男声)33「そんな親切いらんわ!」(怒声)

★BGM:light.mp3

未央(男女混声)21「もぉ、続けるよぉ?(以下、女声)
             『アンナです。あたし、小さな頃からマリア様をお慕いしてました。
             マリア様はあたしのことをどうお思いですか?』」
圭介(女声)34「『私(わたくし)も以前から、あなたを愛らしい子だと思っていましたわ』」

圭介(N)13:オレも前から・・・・・・おまえのことが好きだったんだ。

未央(女声)22「『うれしいっ! あたし、幸せで泣きそうです!』」

SE:衣擦れの音

圭介(N)14:うおぉぉ、オレは今、未央と抱き合ってる。
        背中に腕なんか回されてるラブな密着状態に幸せで泣きそうだ・・・・・・。

圭介(女声)35「『あなたの唇は咲きはじめのバラのよう・・・・・・なんて愛らしいのでしょう』」
未央(女声)23「『あたし、はじめての口づけはマリア様と決めてました・・・・・・』」

SE:心音

圭介(N)15:うひゃー、顔、顔近ッ! まつ毛、長ッ!! し、心臓バクハツするって!

★BGM ストップ

圭介(男声)36「うわぁぁぁ! ロープロープッ!」

★BGM:nandesuto.mp3

未央(男声)24「ケースケ、ちゃんとキスしてよ!」
圭介(男声)37「キスだぞ、口にするキスだぞっ、簡単にできっか!
          未央、おまえはいつからそんなアバズレになったんだぁ!」
未央(女声)25「んー? あばずれってどーゆー意味、ディアナ姉さん?」
貴史(男声)23「江戸時代の流行語で品がない厚かましい輩(やから)のことですわ」
圭介(男声)38「声ッ! ディアナ姉さん、声が男だからッ!」
未央(男声)26「あはは、ケースケってば。
          ちゅーなんて振りに決まってるじゃん!」
圭介(男声)39「振りでもなんでも思いが通じ合って、いきなりキスするか!?」
未央(男声)27「ん〜、二人ともガイジンだからぁ?」(語尾上がり)
圭介(男声)40「待て、理由はそれだけか!?」
貴史(男声)24「キスぐらいでそう興奮するな、チェリー☆圭介」
圭介(男声)41「親友に残念なあだ名つけんなっ!」
貴史(男声)25「一応、理由はあるぞ。
          うちは娯楽の少ない男子校だからな、キスシーンの一つもなければ舞台が盛り上がらん」
圭介(男声)42「キスシーンなら男女で演(や)りやがれ!」
貴史(男声)26「それはむりだ、長谷川部長にはファンクラブがある。
          長谷川部長とラブシーンを演じた役者は、ファンから壮絶な嫌がらせをされて潰されるんだ」
未央(男声)28「ファンクラブの会長さんから、百合モノはOKもらってるんだよねぇ」
貴史(男声)27「――ということだ。とっとと絡(から)め、俺の出番が来ないだろ」

★BGM フェードアウト
SE:心音
★BGM:light.mp3

圭介(N)16:こうなったら、覚悟を決めて未央とキスしてやるぜ!
        未央のキュートな唇まで・・・・・・あと十センチ・・・・・・五センチ・・・・・・一センチ。

圭介(男声)43「未央・・・・・・好きだ」(小声)
貴史(女声)28「『お待ちくださ〜い、マリア様!』」
圭介(男声)44「ちょ、おい、貴史の出番はキスの後だろ?」

圭介(N)17:くっそー、貴史のヤツ。いいとこで邪魔をしやがってぇ!

★BGM フェードアウト

貴史(男声)29「構わないだろ、これはあくまで練習だ。
          それとも・・・・・・圭介は俺に乱入されて、なにか不都合でもあるのか?」
圭介(男声)45「ない・・・・・・に決まってんだろ!
          《アドリブの申し子》と恐れられたオレ様をナメんなよ!」

SE:演劇部の部室ドアの開く音
SE:足音
★BGM:chiisanaitazura.mp3

部長(男声)01「あれ・・・・・・まだ誰か残っているのかい?
          あぁ、君達は一年の・・・・・・」
貴史(男声)30「椎名 貴史です」
未央(男声)29「野沢 未央ですっ!」
部長(男声)02「そうそう、貴史さんと未央ちゃんだね。
          こんな暑いのに居残り練習していたのか、感心感心」
貴史(女声)31「お褒めいただき光栄ですわ、長谷川部長」
未央(女声)30「わ・・・・・・わっ・・・・・・うれし〜ですっ! きゃっ☆」
部長(男声)03「そこの君は見かけない顔だけど・・・・・・?」
圭介(男声)46「いえ・・・・・・通りすがりの“虫”なんで気にしないでください」

一秒ぐらいの間

部長(女声)04「・・・・・・はっ! あなた、演劇部に入らないこと?」
圭介(男声)47「はぁ? ・・・・・・あの、長谷川部長?」
部長(女声)05「あなたの立ち姿とお声、これからの演劇部に必要な人材(イケメン)と“演劇の神”から啓示を受けましてよ!」(語尾上がり)

圭介(N)18:うわ〜(語尾下がり)、この人、妙なスイッチ入っちゃってんよ。

圭介(男声)48「オレにお構いなく、どうせ能ナシ帰宅部のヒマ人なんで・・・・・・」
部長(女声)06「あら、帰宅部ですの?
          それなら、入部になんの問題もありませんわね」

圭介(N)19:うわーい、なに墓穴掘ってんだぁ〜、オレってヤツは!

部長(女声)07「今、入部届けをお持ちしますわね〜ららら〜ん♪」

★BGM フェードアウト
SE:足音
SE:部室ドアの閉まる音

圭介(男声)49「はは・・・・・・長谷川部長って面白い人だな、オレをスカウトするなんて」

★BGM:boku2.mp3

貴史(男声)32「長谷川部長自らスカウトされるなんて・・・・・・」
未央(男声)31「入部する前から長谷川部長のお気に入りなんて・・・・・・ぐずっ(泣き声)」
貴史(男声)33「長谷川部長はなにも悪くない、長谷川部長はなにも悪く・・・・・・長谷川部長はなにも悪く・・・・・・」(以下、未央(女声)32の終わりまで小声でぶつぶつ)
圭介(男声)50「やめてくれっ! これ以上、オレを不幸に追い込むなっ!」
未央(女声)32「ぷ〜んだっ! ケースケとは絶交なんだからッ!」

圭介(N)20:絶交って!? そんなこと萌え声で言われても・・・・・・。

圭介(男声)51「未央・・・・・・絶交なんて冗談だろ、冗談だよな?」
未央(男女混声)33「マジだよ(以下、女声)、ケースケのバカァ!(エコー)」

★BGM フェードアウト
SE:足音
SE:部室ドアの閉まる音
★BGM:mafia.mp3

圭介(男声)52「・・・・・・そ、そんなぁ〜」
貴史(男声)34「自業自得だ、圭介。
          未央が好きなら男らしく正々堂々とぶつかって、潔く粉々に砕けろ!」
圭介(男声)53「貴史・・・・・・オレの気持ち知ってたんだな・・・・・・。
          キモがられないのはうれしいけど、協力する気も励ます気もゼロだな」

圭介(N)21:それどこか・・・・・・思いっきり恋路を邪魔されてる気がする・・・・・・。

貴史(女声)35「お〜ほほほっ、当然ですわよ。
          演劇と長谷川部長をダシにするような輩(やから)は万死(ばんし)に値(あたい)しますわ!」
圭介(男声)54「こんな親友しかいないオレって・・・・・・」
貴史(男声)36「では、親友の俺がへたれの圭介君に一つ助言してやろう。
          長谷川部長より素敵な貴婦人になれば、未央もおまえを見直してホレるかもしれないぞ」
圭介(男声)55「・・・・・・ううぅ・・・・・・」
貴史(男声)37「今のままだと、おまえは未央にとってちょろい幼馴染みだぞ。
          それで、いいのか?」
圭介(男声)56「・・・・・・うっかり入部しそうになってるオレ、大丈夫か?」(小声)

SE:携帯の操作音

圭介(男声)57「大丈夫じゃない、問題しかない!」(ドス小声)

SE:携帯の操作音

圭介(男声)58「おーまーえーは、親友が苦悩してるときにメール打ってんなっ!」
貴史(男声)38「ふん。どうせ悩んでも答えは出さないんだろ、弱虫?」

SE:爆音

圭介(男女混声)59「出したッ! たった今、出したッ!(以下、女声)
             私(わたしく)、演劇部に入って未央を振り向かせてみせますわ!」

圭介(N)22:それでもって、いつの日か未央と幼馴染み以上の関係になってやるぜ!

★BGM フェードアウト

貴史(男声)39「――スカウト完了、長谷川部長と未央に送信っと!」(小声)

SE:携帯メールの送信音


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